異体字に棊がある。つくりの其は四角いものとの意味があり、古くは中国式の双六であった六博を指した。三国時代〜南北朝時代には碁を指すようになったが、この頃は現行の十九路盤ではなく十七路盤で行われていたと見られる。隋の歴史書『隋史』[1]には既に碁の定石書も見られる。将棋を指すことがあり、隋史には『象経』という本が存在したことが載っている。このゲームは日月星辰などの名があり、北周の武帝が作った北周象棋?と見られる。[2]
『春秋左氏伝』の襄公二十五年(B.C548年)に擧棊不定(キヲアグルコトサダマラズ)との用例がある。意味するところは、盤上の駒あるいは石の使い方に方針が無いことである。小倉芳彦[3]は、「囲碁でも石の打ち方がふらふらしていては相手に勝てない」[4]という意味に訳しており、囲碁であると解釈している。なお、この文は『春秋』本文では無く、左丘明[5]の注釈部分に書かれた内容である。[6]